カフェの雑談

カフェの雑談

今日も今日とて雑談に華が咲いたのでその内容をメモしておきます。

スキットル

ウイスキー等のアルコール度数の高い酒を入れる携帯用の容器。

語源は「スキットル」という、ボーリングの元になったとされる18世紀頃のイギリスで流行った遊びで使われる木製のピンに形が似ていたから、と言われているようです。

チタン製は味に変化が生じにくいが、加工が難しいため値段が張る、などの材質による特徴や質、価格についての話。錫は比較的安価。

錬金術

錫や鉛といった金属の名前が出てきたので。

ヨーロッパの錬金術では七つの惑星(現在の惑星の定義とは一致しないため、天体とざっくり考えた方が良い)に神と金属が対応して考えられていた。

金属惑星(天体)シンボル
太陽アポロ/アポロン
ディアナ/アルテミス
金星ヴィーナス/アフロディーテ
水銀水星マーキュリー/ヘルメス
火星マルス/アレス
木星ジュピター/ゼウス
土星サターン/クロノス

元素記号

元素の話になったので、続けて元素記号の話を。

チタン

チタンは元素記号「Ti」で表される。これは名前の通りTitanからで、さらにTitanはティターン(タイタン)神族に由来します。

銅は「Cu」。英語ではCopper。英語名・元素記号共に古来から良質の銅が算出されたキプロス島にちなむといいます。

さらにキプロス島はアフロディーテの神話があったため、錬金術においてアフロディーテとその象徴の金星が銅と結び付いたとされます。

こんなところから、金属の歴史を知ることもできますね。

金は「Au」。これは金を意味するラテン語aurumから。これはオーロラ(aurora)と同じく光の意味から。さらに辿るとヘブライ語のor(光)とも同じ語源。生命の木で名前を聞く「アイン・ソフ・オウル(無限光)」の「オウル」ですね。

その他

  • 水素の「H」はHydrogen。ギリシャ語で水を意味する「Hydro」からなので分かりやすい。
  • ヘリウムの「He」はそのまま。名前はギリシャ語の太陽「Helios」から。

水銀

水銀は常温で液体の金属のため、洋の東西を問わず神秘的な金属と考えられ、錬金術でも練丹術(外丹)でも不老不死の霊薬ともされました。

中国の有名どころでは秦の始皇帝の陵墓に水銀が流れる川が100本作られていたといいます。

日本では奈良の大仏の金メッキをする際の用法として水銀が用いられたそうです。

銀は浄化の力を持つとされたり、毒を検知するとされます。ヨーロッパでは毒を発見するために銀食器が使われたとか。

こうした特長から、狼男や吸血鬼、悪魔に対して有効な攻撃手段として銀で作られた弾丸が考え出されたり。

そういえば今日(※11/23)は満月ですね。

狼男や吸血鬼が出るかも。

製鉄と隻眼

たたら製鉄に携わる人は片目で火の色を見るため(また、そのせいで片目が見えなくなる)、一つ目の存在として表象されると言われます(若尾五雄や谷川健一)。

また、製鉄・鍛冶の神「天目一箇神(あめのまひとつのかみ)」との関連も指摘されます。

天目一箇神は、珍しいところですと太平山神社の奥宮に祀られています。

Webサイトによると東国平定のために遣わされたとのことですが、ひょっとして何か製鉄との繋がりがあったのでしょうか。

星宮神社があるので、(金)星の信仰もあったものと思われますが……果てさて。

余談ですが、栃木の近場だと「多々良沼」という沼がありますが、名前からして怪しい。

話としてはやはり製鉄を臭わせる話もありますね。

そろそろ白鳥が来ても良い時期だろうとのこと。

鉄というと島根もよく話題に上ります。神話でもスサノオノミコトのヤマタノオロチ退治、もっと言うと天叢雲剣があるので。優れた鉄器を持っていたのではないかと。

石見銀山

銀の話題が出て、さらにたたらや製鉄という単語が出てきたので、石見銀山と石見に伝わる妖怪を思い出しました。

そう、「野馬(のうま)」です。

特徴としては

  • 一つ目で馬の嘶き声をさせる妖怪
  • 人を喰うとされる
  • ある夜、たたら場にづくを作っている山はひの人が寝ていた所に、どこからともなく女が来てその上に覆い被さった
    • 女はかなやごさんというたたらの神であった
      • それを見た野馬は逃げていった

という。これも一つ目でたたらとか製鉄とか気になる単語があちこちにあるので気になる存在。

日本の塗装というと漆がパッと出てきますが、個人的に漆と言うと即身仏を連想します(偏見)。

漆の樹液を飲んで嘔吐することで体内の水分を減らす上に、殺菌効果を期待したものと考えられるそうですが……死後ならともかく、生前に飲むという修行を行うのは凄まじいことだと思います。

星宮神社

栃木県には星宮神社という名前の神社が特に多いです。

ご祭神は今こそ「根裂神」「磐裂神」とされるケースが多いものの、神仏習合の時代は虚空蔵菩薩を祀るものであったという。明けの明星が虚空蔵菩薩の化身・象徴とされたため、星と繋がります。

栃木圏内に星宮神社が多い理由については諸説あるものの、有名なものとして「日光の修験者が各地に伝えた」というものがあります。

鰻が虚空蔵菩薩の使いと考えられたため、「鰻を食べると目が見えなくなる」として食べることを禁忌とする信仰が伝わっています。

野衾(むささび・ももんが)

『北の郷物語』辺りに「田島町の星宮神社で毎夜のように太鼓の音がするという怪異があった。後に境内で野衾の死骸が発見され、怪異が収まった」という話がある。

『第3集 北の郷物語』(中島 太郎文・画、岩花文庫 H.25/5/31)の「野衾河童奇談」に、

昭和の中頃、田島町の星宮神社で夜な夜な太鼓が鳴るという怪異があり、後に境内で野衾と呼ばれるムササビの死骸が発見され収まったそうです。

とあります。

通常の妖怪としての野衾は「森の中で松明の火を狙って飛んでくる」という話が一般的に知られていますが、それとは異なる伝承なのでレア。

ちなみにこれは話さなかったですが、むささびは別名「日光天狗」と呼ばれることもあるといいます。

金井紫雲『動物と芸術』だと、むささびは日光に多くいるので「日光むささび」ってことばがある、ってのが載ってた。惜しい

— 氷厘亭氷泉 (@hyousen) 2013年5月3日

日光天狗という名前から日光との関連が連想されます。また、天狗と言えば修験道。と考えると、日光の修験者から星宮神社を連想することができます。

一方で、天狗は数々の怪異を起こしたと各地に伝わりますが、その一つに「天狗太鼓」という、山から太鼓のような音が聞こえる怪異があります。

「天狗太鼓」の怪異と「日光天狗」の名前とむささびという実体、これが混ざって星宮神社の太鼓の音の怪異になったのではないか、と個人的には思っているのですが、星宮神社周辺でむささびを日光天狗と呼ぶかどうかなど確証というか情報がまだ足りないので詳しくは分かりません。

富士山

山の話から富士山に。

富士山と言えば富士講。富士講と言えば角行。角行は足利市の大月町で修行していたこともあったとのことで、同町には足跡が残されています。

生姜

生姜の名前の由来は中国での生のしょうがを表す「生薑」の読み「ショウキョウ」から来たとされるようです。


今回も色々な話が出ました。

カフェの雑談

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またコーヒーを片手に雑談した内容をまとめておきます。四方山話なので学術的なところは踏み入りません。あしからず。

神社の名前の話

名前が同じ神社って稲荷神社とか諏訪神社とかたくさんありますが、それぞれがきちんと大元から分霊されているかというと案外そうでもないという話。

もちろんきちんと神職さんをお呼びして御霊を分けて頂くという例も多いのですが、全てが全てそうかと言うとそうでもない、と。

特に神仏分離・廃仏毀釈の流れで今まで仏様をご本尊として祀っていたのを、生き延びるためにどうにか古事記・日本書紀の神様に無理やり宛がって祭神を変更し、改名したという例もあります。

例えば「第六天神社」とか。

元々は神仏習合の時代に第六天魔王(他化自在天)を祀る神社として創建されたものであるが、明治の神仏分離の際、多くの第六天神社がその社名から神世七代における第六代のオモダル・アヤカシコネ(面足命・惶根命)に祭神を変更した

こんな感じですね。「六」という数字からどうにか記紀神話に由緒がある神様にご祭神を変更した、と。

もっと「ちょwおまwww」と言いたくなるのがコチラ。

某所の白山神社。名前からすると、石川・福井・岐阜にまたがる白山を中心とした山岳信仰から連なる白山神社と想像できます。

白山自体も修験道の関係で九頭龍とか白山明神・妙理大菩薩とか一筋縄では行きませんが、その辺りは本筋とは関係ないので端折ります。

で、先の白山神社、元々は「百済神社」だったらしいです。百済(くだら)ですよね。

ところが、当時の民衆が文字を読めず「ひゃくさいさま」と言っており、そこに江戸時代の役人が神社調査を行った際に「ヒャクサイさまとはどんな神様か?」と考えた末に、「音の感じ的にきっとハクサンだろう」ということで白山の文字を当ててしまい、以降白山神社になってしまったのだとか。

……いや適当過ぎでしょ!

ということで神社の名前があっさり?変わってしまったという例です。しかも名前が変わったらハクサンなので「歯苦散」ということで歯の痛みに霊験ありという信仰が生まれたとかそういう尾ひれまで付いているので、「おいおい」と。

この話はきちんと『足利の伝説』(台 一雄著、1974年発行)という書物に記されています。

僧侶と技術

変わって仏教の話。僧侶の場合は

  • 空海の温泉とか真水とか塩水とかお酒とかを杖を突いて泉を湧かせる話
  • 行基は氾濫を繰り返して困っていた川に頑丈な堤防や橋を建設した

といった話が比較的有名ではないかと。

見方によっては、地質学に長けていたとか、土木建設の数学・物理的な知識・技術を持っていたということができるのではないかと。

そういう専門的な知識・技術を持って民衆を助けていたというところではないかな、と。

専門的な技術者と信仰

天目一箇神(アマノマヒトツメノカミ)という製鉄・鍛冶の神が奥宮としてひっそりと祀られ、表は星の信仰があった、とすると製鉄や冶金のような専門的な技術者の集団と信仰について考えたくなります。

星と言うと修験とか密教も関与が考えられるので、そういう意味でも仏教に掛かってくるのかな、と。

北欧神話

さて、こうした伝説に自分がどこから興味を持ったかと言うと、東方以外の何者でもないのですが東方の前はやっぱりファンタジー系だったので、北欧神話辺りはよく調べていたな、と。

トールキンの『指輪物語』とか、最近だと『ロード・オブ・ザ・リング』辺りがビジュアル的に連想しやすいのではないかと。ドワーフとか。

一般の方だと余り馴染みがない北欧神話ですが、現代にも北欧の名残はあって、最も身近な例は英語の曜日。

土日月が除いて、他は

  • Tuesday: 戦の神テュール
  • Wednesday: 知識や詩や暴風雨等の神ヴォーダン(オーディン、というとアース神族の長のイメージが個人的には強いですが)
  • Thursday: 雷神トール
  • Friday: 愛の女神フレイヤ(フリッガ)

と北欧の神に由来しています。身近なところに名残があるでしょう?というお話。

これはお話しませんでしたが、余談。

北欧で使われていたルーン文字は魔術的な意味があるとして今でもファンタジー御用達ですが、近距離用無線の規格であるBluetoothは初めてノルウェーとデンマークを交渉により無血統合した王様の通称に由来したもので、ロゴはその通称に使われる2文字を合体させた文字になります。

Bluetooth のロゴは、北欧の長枝ルーン文字(イェリング墳墓群の石碑に見られる)でハーラル・ブロタンの頭文字の H と B を組み合わせたものに由来する。

「つまり我々はルーン魔術によって無線通信を行っていたんだよ!!(AA略」

というわけで、こんなところにも北欧の風が吹いているのです。

日本の暦

曜日の話から日本の暦について。六曜とかもありますが、日にちの数え方で言うと先週も話した「十干」と「十二支」を組み合わせたもので表現していました。

「丙午(ひのえうま)」とか「庚申(かのえさる)」とか。

ちなみに、年と月と日と時刻(例: 丑三つ時)に十二支を使うので、「寅の年、寅の日、寅の刻」や「寅の年、寅の日、寅の刻」なんていうゾロ目的なことも起きます。

毘沙門天様は虎がお使いとされるので、鞍馬寺では「寅の年、寅の日、寅の刻」、信貴山朝護孫子寺は「寅年、寅日、寅の刻」にそれぞれ毘沙門天様が現れた、とされます。

あと暦というと太陰暦ですかね。旧暦とも言われます。

特に江戸時代の天保暦が有名かと。

ただ、この天保暦のルールで月を決めていくと、2033年に月の名前が定まらないという問題があり、少し前に話題になりました。

暦って当たり前のように使ってますが、科学の発展によって成り立っているのだと改めてありがたさを感じる次第。


以上、雑多な話題ですがまた引き出しを開けたのでメモまで。